10月の読書メーター読んだ本の数:16読んだページ数:3601ナイス数:2225
須賀敦子のフランス読了日:10月30日 著者:
稲葉 由紀子
作家の猫 2 (コロナ・ブックス)の
感想時代的なこともあるのでせうが出入り自由に暮らしているニャンが多い、そして多頭飼いしている作家が多い。一軒家でそれなりに余裕がある暮らし、ということか。ま、外で自分で喰ってこい、という部分も..? 印象に残ったのは池部家モコモコヒマラヤンのミンゴ、城家のワッパで眠る2匹、米原家の階段猫・シンクロ猫、上野家のしがみつくロロ、そして吉行理恵さん、本人が可愛すぎて猫に目がいかニャい.. 石井家の「胃ノ上キヌ子」さんに笑った。 平岩米吉さんの名前はここで初めて知り興味津々、猫よりも犬・狼の研究者ということですが。読了日:10月29日 著者:
川本 三郎,久世 朋子,萩原 朔美ほか
作家の猫 (コロナ・ブックス)の
感想ねこ可愛い♪(^-^)で感想としては終わってしまうこうした本なのだが、巻末の「ネコの名作文学館」のように関連作品などの紹介があるとついつい追っかけてしまって・・・ 猫沼から出られなくなる.. 7匹並んだ大佛家、幸田家の蟻掘りクロちゃん、武田家のマドの玉ちゃん、そして室生家 火鉢のジイノがかわいくて印象に残っています。 猫かわいがりには程がない、と思ってはいますが、谷崎さん開高さんのやうに剥製にする気持ちは皆目分かりません。物体として好きなのか君たちは.. 彼らの作品、いくつか積んでますが無理かもしれん..読了日:10月28日 著者:
夏目 房之介,青木 玉,常盤 新平 ほか
<ヴィジュアル版> サハラ砂漠 塩の道をゆく (集英社新書)読了日:10月27日 著者:
片平 孝
美少女美術史: 人々を惑わせる究極の美 (ちくま学芸文庫)の
感想想ひ描くやうな「美少女」はほとんど出てこなかったよ、結構真面目に時代、変遷を追っている本でした。古くは宗教画か金持ちの肖像画というのが絵画であり、 そのころの「美少女」として取り上げられているのはマリア、聖女たち、プシュケー、ニケなど。少女か? 17世紀後半あたりから、絵画が市民のものとなり画家好みの美少女が描ける時代が来たやうです。 印象強かったのはピカソ「パロマ」、マリーローランサン「接吻」、ルノワール「猫を抱くジュリーマネ」、アーサーラッカム「パンドラ」かな。あ、あとフェルメールのあれ、別格ですね。読了日:10月26日 著者:
池上 英洋,荒井 咲紀
亜紀子 (新潮文庫)読了日:10月25日 著者:
大原 富枝
津波の夜に: 3.11の記憶の
感想東日本大震災からおよそ1年後からの被災生存者たちへの聞き書き。東松島市、小野駅前地区応急仮設住宅にて。鳴瀬川右岸の野蒜地区、新町地区、東名地区そして左岸の浜市地区、牛網地区などの住民たちから3・11の被災前後の状況を聞き取って記録してあります。 逃げ遅れたがゆえに助かった、1Fで寝たきりだったけど助かった、避難したのに助からなかった、流されず助かったはずが濡れた寒さで亡くなった、・・・。 そういえば仕事中にこっちでも揺れたっけとか、画像観て「うあぁ..」って思っただけの人間に感想なんて書きやうがなひな..読了日:10月23日 著者:
大西 暢夫
ラット一家と暮らしてみたら―ネズミたちの育児風景の
感想じつはフェレットに一目惚れした作者ですが、夫は嫌がりラットを推す。知性が高く社会性もあり人に慣れ繁殖活動も観られる・・・と説得されて飼い始めたら見事ハマったやうです。ソクラテス一家にはじまり、ニュートン家、ダーウィン家、ガリレオ家、ユークリッド家、そして半野生のピカソ家と多いときには合計150匹と暮らした観察記。人間臭い振る舞いもあって面白く飼ってみたくなります。 2000年当時すでに動物愛護の観点から欧州で犬猫は店頭に置かれなくなってたとのこと、日本っていまだにショーケースで見せ物になってなかったっけ?読了日:10月21日 著者:
服部 ゆう子
東京凸凹散歩――荷風にならっての
感想元は2012年の「日和下駄とスニーカー」、2019年4月の情報に改めての改題再刊ということのやうです。原題の方が目指してる内容に合ってたのでは・・・ 永井荷風「日和下駄」におけるテーマ11項目「日和下駄」「淫祠」「樹」「地図」「寺」「水」「路地」「閑地」「崖」「坂」「夕陽」に沿っての散策です。荷風の暮らした余丁町から四谷あたりが多めな気がした当たり前か。 多摩地方で6年強生活したけど、都心に出るのは稀だったため土地勘が無く、散歩中の目線などは面白く読んだものの、どこをどう歩いてるのかはサッパリであった..読了日:10月18日 著者:
大竹 昭子
アンタッチャブル (1962年) (ハヤカワ・ライブラリー)の
感想たぶんこの「アンタッチャブル」という単語、映画の宣伝で覚えたのでせうが、初めて耳にして以来ずっと、カポネ側つまりギャング一味を指し示すん言葉だと思っていました。手が付けられないやつら、ということで。真逆でしたね。筆者のエリオット・ネスをはじめとするシカゴ・ギャング討伐チーム10人のことをギャング側が「アンタッチャブル」と呼んだそうです。禁酒法時代、密造酒による稼ぎで君臨した“向こう傷のアル”を1929年10月以降の2年半で追い詰め刑務所へ送り込むまでのドキュメント。文章は淡々とシンプルに経過を追ってゆく。読了日:10月16日 著者:
エリオット・ネス
極楽 (笙野頼子・初期作品集)読了日:10月15日 著者:
笙野 頼子
夢の中での日常 (1956年)読了日:10月10日 著者:
島尾 敏雄
ファンタジア読了日:10月07日 著者:
ブルーノ ムナーリ
随時見学可の
感想名作「図鑑少年」からなんと10年もの時を経ての2009年出版の第2短編集。都心の隠れ家を手に入れたとこから不穏にカオス化していく表題作と、穏やかで心地よいラストの「ゴミ入れや浴室マット」の2作は「新潮」誌、他8作は「本の旅人」誌に発表されたもの。「木造モルタル」という作品では特に、少し前に読了した「きみのいる生活」でのスナネズミだったり、現在同時に読んでいる「東京凸凹散歩」のテイストだったりがそのまま小説に出没していて愉しい。いや、凸凹散歩は最近作だから順序が逆、「NY1980」とかから不変と言うべきか。読了日:10月05日 著者:
大竹昭子
偏愛ムラタ美術館の
感想村田喜代子さんの小説は好きでいくつか読んできましたが、こうしたエッセイ系は初めて。目次を眺めたところ河鍋暁斎の名もあったので読んでみました。ゴッホやルドンという有名どころから、炭坑の山本作兵衛や昭和新山の三松正夫といったいわば素人画家、アンドレ・ボーシャンなど素朴ナチュラル派まで、「偏愛」らしく幅広い。自分が「おぉこの絵が好きだな」と感じたのは大道あやさん。群生するドクダミ、鶏、花火... 19で大道家へいき、36で被爆、生業である花火工場の事故で夫や長男を亡くして、絵を描き始めたのは60からだそうです。読了日:10月03日 著者:
村田 喜代子
目眩まし (ゼーバルト・コレクション)の
感想ようやく、の初ゼーバルト。旅と回想、予感と幻想の文章については、あぁもう少しカフカやスタンダールに関する知識があればなあ・・・というところでせうか。それよりも読み終えて印象に残っているのは、ここ数ヶ月で自分が読んでいた須賀敦子関連本で行く幾度も目にしたトリエステなどの地名や、つい半月前に読んだ「地図趣味。」で観た河川山岳ランキング図などがこの作品にも出てきたこと。その時々の気の向くまま雑多に手を出しているつもりが実は、「はるかへだたったしかし同じ秩序にある」読書をしているのか...と胸が震えたのであった。読了日:10月02日 著者:
W・G・ゼーバルト
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